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剣客商売
平均点 4.0点

総件数:1件


Seli Ogawa
日時 2014/10/08
評価
タイトル 爺さんがカッコいい!
コメント 主人公は剣客商売を生業とする秋山小兵衛。年寄りのくせに滅方、強い。息子の大治郎もかなりの腕までである。小兵衛と大治郎が最新特撮アクションムービー張りの活躍で、江戸の下町の事件を次々と解決していくシリーズです。ちょっとやり過ぎの感はありますが、娯楽小説として割り切って読めば楽しめると思います。悪人をして「とんでもねえ、爺い」と言わしめる小兵衛は、若い娘にモテモテなのです。私も、どちらかというと、一本気な息子の大治郎よりも懐の深い小兵衛のほうが好き。
冗談はさておき、この作品がただのアクション物になっていないのは、主人公の小兵衛の人情味あふれる言動のお蔭でしょう。年の功とでもいうか、酸いも甘いも噛み分けた苦労人とでもいうのでしょうか。善懲悪物ではないところが良いです。
同時代の司馬遼太郎と比べると、池波正太郎はかなり大衆的というか下世話な感じの作品が多いです。これはあくまでも両者の比較であって、つまるところは二人とも娯楽作品を極めた人たちです。ただ、このシリーズ、一巻、二巻までは「う〜む、これは最近の作品にはない人情物だぁ。深いゼ」と面白く読んでいたのですが、読み進めるうちに、不快な性的表現が鼻につき始めました。特に池波正太郎氏などは「飲む打つ買う」をかなり為されたのではないと思わせる節があります(実際に飲む打つ買うを池波氏がされたかどうかは知りませんし、知りたいとも思いませんが。)「飲む打つ買う」で知った女性観を土台に、「これが女性というものだ!」といった感じの得意気な表現には興ざめします。両氏が女性に不人気なのは、歴史物という作品の性質よりも、その辺の描写に原因があるのではないでしょうか。この作品に限らず、両氏とも、作品中で「○陰」という単語を頻繁に使用されていますが、これはなかり不快です。仮に女流作家が「ペ○ス」という単語を頻繁に用いたら男性読者はどう感じるでしょうか。それを考えれば、この不快感は理解していただけると思います。そのために、たまに両氏がロマンチックな場面を描いても、白けるだけで、少しも酔えません。しかし、その辺の生理的不快感を理性で抑えれば、両氏とも稀代のストーリーテラーであり、アクションシーンの描写は秀逸です。

総件数:1件

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